決して「ファイヤーエンブレム」ではない。間違えるとゲームキューブの角で頭を殴られるので注意しよう。
さて……
この先には大きなネタバレがあります
▶︎読む
読まない
ここまで読んでいるということはゲームをクリアしている方だろう。ここから先は遠慮なくネタバレしていく。まぁ実は帝国ルートを1周やっただけなんですけど……
感想、面白かった。
FEシリーズは初めてだったのだが、シリーズ未経験者でも特に問題なかった……というか、ストーリー的なつながりはどうやらない(か、あってもかなり薄い)らしい。
このゲームは、なんと3つの学級のうち一つを選んで先生になるというFEシリーズでは異色の(他シリーズやってないけど)ストーリーになっている。
私が選んだのは黒鷲の学級(アドラークラッセ、以下アドクラとする)。級長のエーデルガルトちゃんがね、かわいい……あ、ちなみに主人公は女です。名前はデフォルトネームのベレスのまま。
ゲーム序盤〜中盤で一つ気になったのが……「登場人物が多すぎて名前を覚えられないこと」だ、これって私の頭が悪いのか……? 普通の人ならスッと全員覚えられるのだろうか。
しまいには寝る前「あの茶髪の子は○○、あの性格の人は××……」みたいな感じで名前を覚えようとまでしていた。マジな学校の先生かよ……
とはいえ、覚えてさえしまえば学校生活は良い。各々のキャラクターが非常に作り込まれているのがよく伝わってきた。おまけにフルボイス。任天堂の本気も伝わってくる。
このゲームのいいところを一つのみ挙げろと言われたら、私は「キャラクターの良さ」を挙げるだろう。戦闘とかBGMも素晴らしかったのだが。
キャラクターがみんな個性的で、かつ生き生きとしている。先生としてみんなと仲良くなっていき、色々な話を聞くのが楽しい。各々の事情を聞いたりすることもあれば、落とし物を届けたりもできるし、なんと好きなキャラクターとお茶会(!)を開くこともできる。ちなみに私はフレンと気まずい空気になってから一度もお茶会を開かなかった。
せっかくなのでアドクラの面子についてだけ寸評を述べてみる。
・ベレス(主人公)
「みなで強くなろう」
かわいい。おっぱいがでかい(最重要)
ストーリー後半ではニルヴァーナという特殊なクラスになる。魔法も使えるようになってドン引きするくらい無双するが、不幸にも後述のフェルディナント君がもっと強かった。でもかわいいのでオッケーです!
容姿がよく話題になるキャラで、その圧倒的な無表情っぷりやニルヴァーナになってからの変化やおっぱいやらタイツやら話題に事欠かない。任天堂さんサイドは何を思ってこんな巨乳にしたのだろう……
余談だがスマブラに参戦している。使ったことないけど。
・エーデルガルト
「せんせー!!」
かわいい。
通称エガちゃん。ネタではない。(元々級長という重要な登場人物だが)帝国ルートでは最重要ともいえるポジにいる。
昔宮城(みやぎ)の地下で鎖に繋がれていた重い過去を持つ。アンヴァル宮城ってなんだよ
個性の動物園と呼ばれるアドクラをまとめる唯一の常識人。
……かと思ったか? 実はネズミにビビったりてんてーの似顔絵を描いたりお茶目な一面も持っている(余談だが、私もネズミを見て普通にビビった重い過去を持つ)。甘いものを食べながらゴロゴロするのが夢らしい。
海外のファンの間では「彼女はPTSDなのではないか?」という刺激的な説が提唱されている。
さらに余談だが、実は言うほど貧乳でもない。5年後のエーデルガルトを見てみるとそこそこの逸楽を持っている。学校パート? あれはダメみたいですね……
・ヒューベルト
「くくく、情けない」
とんでもない悪役顔で話題のヒューベルト君。えっでも普通にイケメンだと思うのは私だけ?
スライムを操る闇魔法使いなのだが、ついぞダークメイジになることはありませんでした。あんなに苦労して闇パス取ったのに……
エーデルガルト大好きマンなのだが、恋愛感情とかは私が見る限りありそうにない。ひたすら従順。
でもてんてーを暗殺したがるお茶目な一面もある。
・フェルディナント=フォン=エーギル
「我が名は! フェルディナント=フォン=エーギル!」
フェルディナント=フォン=エーギル君。戦闘のたびに「我が名は! フェルディナント=フォン=エーギル!」と叫ぶためフェルディナント=フォン=エーギルというフルネームを一番覚えやすいキャラと話題。だがフェルディナント=フォン=エーギルと毎回書くのはだるいので以後フェルディナント=フォン=エーギルは「フェルディナント」と略させてもらう。
よくある自意識過剰貴族ではなく、ノブレスオブリージュを地でいく超いい子。エガちゃんにはどうやら対抗心があるらしく、エガちゃんと一緒に食堂に呼ぶと早食い対決をしようとする。まともなのは僕だけか
アドクラでは(後述のとあるキャラを除き)唯一の騎乗キャラだった。そのため長距離の移動や再移動などで大活躍。多分てんてーすら超えてアドクラで一番活躍していたと思う。さすが貴族だ。
・ベルナデッタ
「ベルのじゃないですよ? なんでベルのだと思ったんです?」
かわいい
引きこもり。遠距離から一方的に敵を殺害するのを得意とする。酷い解説だ。
今作の弓は非常に強い(気がする)。ベルの曲射にはかなりお世話になった。ちなみに、狙撃はあんまり当たらないのと当たってもギリギリ一撃では落とせないのであまり使わなかった……
第二部だとだいぶ容姿が変わる。その変貌っぷりにドキッとした方も多いだろう。が、私は第一部の方が好きですね
・ドロテア
「死の舞を踊ってあげる」
上記のセリフは多分この作品でもトップクラスに好き(第二部でクリティカルを出すときに言う)。
魔法の鬼。射程を+1する装備をつけてトロンを撃ちまくると敵がバッタバッタなぎ倒されていく。フェルディナント君、てんてーに次いで強かった気がする。
鷲獅子戦の後の
ドロテア「私だってこの後、誰かと2人でどこかに消えたい……」
フェルディナント「ふむ……私も食後の紅茶でも、と考えていたのだが、どうだい?」
ドロテア「いいえ、間に合ってるわ、貴族様。ちょっと声をかけたい人がいますから」
という会話は今作屈指の良い絡みだと思う。なんなら一番好きかもしれない。
大人な女の子でおっぱいもでかいことから私が好きなキャラトップになりそうだったのだが、意外にも(てんてーを除いても)エガちゃんの方が好きになった。いえもちろん好きなんですけどね。
・カスパル
「力も実力のうちだぜ! ……あれ?」
熱血系で喧嘩っ早い男の子。小柄。
どうやら格闘系で育てる方が強いらしいのだが、普通に斧キャラにしてしまった……おかげでエガちゃんと役割は被るわ火力と防御どっちつかずになるわと育成が一番迷走したキャラだと思う。
ベルと同じく、第二部でだいぶ容姿が変わる。身長はだいぶ伸びかなり大人びたイケメンになるのだが、実はアドクラ男子勢で背が一番低いままというかわいそうな子でもある。周りが強いよ周りが……
・ペトラ
「障害、排除します!」
どうやら本土の言葉が苦手らしい子。
非常に健気というか、良い子揃いのアドクラの中でも筋金入りのとにかく良い子である。ついでになかなかの逸楽をお持ちである。パイスラ
カスパル君と同じく育成で迷走した子。確かソードマスターになったりアサシンになったりしていた気がする。最終的にはアサシンで固定されたのだが、まぁ強いですね。地形無視かつ移動範囲が広く機動面でめちゃくちゃ強かった。ベルほどの威力は出ないが弓が使えるのもポイント。
・リンハルト
「眠い……眠っちゃダメだ……」
常に眠いダウナー系?男子。
アドクラ唯一にして重要な白魔法の使い手。アドクラには回復役がリンハルト君しかいないのでほぼ過労死枠だった。
白魔法といえばリザイア(スマブラでは黒魔法っぽいエフェクトだが、実は白魔法である)なのだが、実際使ってみると攻速の関係上リザイアよりもウインドやシェイバーの方が強いという残念な現象が起こってしまい、リンハルト君も度々リザイアをかなぐり捨てウインドを打つような場面があった。リザイアは犠牲になったのだ……
後述のフレンとのとある絡みは、CEROが仕事をしていないのではないかとまことしやかにささやかれている。
・フレン
「ま!」
かわいい。特に「ま!」がかわいい。胸? ねえよそんなもん
リンハルト君と同じ白魔法使いで「アドクラには白魔法使いが2人だ!」……と、そう思っていた時期が私にもあった。第二部で離脱する。
キャラが好きだったのもあるがこの仕様はだいぶ痛く、ネットでは「フレンをわざわざ踊り子にしたのに」「貴重な装備品を持ってかれた」などと言った阿鼻叫喚が並べられていたりする。
しまいには、スカウトなしだと唯一「元同学級の生徒を殺さなければならない」状況に直面する羽目に。特に(セテスとフレンの外伝をクリアしていたせいで)思い入れのあるキャラクターだったので、非常に辛かった……
・イエリッツァ
「命はない」
帝国ルートのみ(多分)第二部で加入。非常にいいキャラをしてるのだが、なにぶんフレンと入れ替わるので複雑な心境になる。もちろん好きですよ。
戦闘面では、多分第二部のみに絞ると一番活躍していたのではなかろうか。性能が頭おかしい。サリエルの鎌とクリティカルで敵をなぎ倒していくその姿はまさに死神。
さらに、私はお世話にならなかったのだが、兵種をマスターすると「応撃」というトンデモチートスキルを覚える。これはなんと「どの距離にいても反撃できる」というもので、本来はボスクラスの敵ユニットくらいしか装備していないものだ。その場で槍振って何マスも離れた敵倒すとかどうなってるんですかね……一度応撃で無双してみたいものである。
しかし御多分に漏れず桃のシャーベットが好きとかいうお茶目な一面もある。
余談だが、逸楽とは楽しく気持ちの良いことらしい。
……こんな感じか。この調子で全キャラクターやってると日が暮れそうなのでここら辺にしておこう。
とにかく、FE風花雪月のキャラクターはみんな非常に魅力的である。名前を覚えるのは大変だが……それもまた先生っぽくていいのかもしれない。そこには充実したほのぼの学園ライフが待っているのだ。
……と、思いましたか?
第二部では戦争が起こる。よって他学級の生徒は全員殺すことになります(さっき少し述べたが)
さて、そんな第二部。
ここは選択肢によって物語が変わるのだが、私が選んだルートの第二部ではエーデルガルトとヒューベルトが決起し教団を襲撃する。
王国側に逃げ込んだ教団を打ち倒すために、帝国は同盟領、そして王国へと攻め入る。その過程で、かつての学友(先生という立場なので学友と言うべきかはわからないが)をことごとく殺していく……血みどろの戦争が第二部では待っているのである。
私は正直、第一部をやっていて楽しいと思う反面「ちょっと冗長だな」「第二部はどんな展開になるのだろう、早く新しい展開が欲しい」と思うことも常々あった。しかし、第二部でそれは全て吹き飛んだ。
何分仲良くしていただけあって、非常に辛い。特に、倒した後は相手が死に際にセリフを残していくのでなおさらである。
私は任天堂を、そしてファイアーエムブレムシリーズを舐めていたのかもしれない。あのほのぼの学園生活が続いて物語が終わると勝手に思い込んでいたのである。こんなシビアなゲームだとは想像していなかったのだ。
第二部については、クリアした方なら思い思いの感想を抱いているだろう。かつての学友、生徒に手をかけること、それを苦とも思わず進めていけるのか、それともそのたびに心を痛めるのか……私は後者だったが、これについては各々の感覚が違ってよいと思ってもいる。それもまた、ファイアーエムブレム風花雪月なのだ。
最後に、私が一番秀逸な演出だと思ったのはこれ。
「この選択で物語が大きく変化します」
散策でエーデルガルトに話しかけたら唐突にこの選択肢が出てきたとき、そしてその後上記の二度目の選択肢が出てきたとき、私は戦慄した。
ドクンドクンと心臓が鳴る音も相まって、一気に緊迫感が生まれる。この「選択をプレイヤーにゆだねる」感はこのゲームで最も心に響いた。
ちなみに、この選択肢はアドクラを選んでいてかつ2月(多分)の散策でエーデルガルトに話しかけていないと発生しない。
……と、感想はこんなところか。
これを読んでいる方は恐らくクリア済みだろうしここで言うことではないかも知れないが、是非プレイしてほしいゲームだ。シリーズ初経験でも特に問題なく進められるのも大きい。
ここまで読んでくれた方がいてくれれば幸いだ。それでは、ごきげんよう。