帰り道に見上げた空には、数える程しかない星が煌めいていて
最初はただ、綺麗だと思っただけだった
小さい頃、私はいつも下を向いて歩いていた
道端に転がっている普通の石を見つけては、綺麗だと大人に見せていた、そんな記憶
でもそれは、褒められたいとか羨ましがられたいとかではなくて、ただなんとなくやっていた
ふっと考え出したのは、しばらく歩いた後
私は、この星には届かない 届けない
下を向いて、他の人が見つけられない自分だけの綺麗なものを拾うこともなくなってしまった
上を向いて、星を掴もうと手を伸ばしたり、どうにかして近づきたいとも思わなくなってしまった
これは良いこと? 悪いこと?
ぐるぐる ぐるぐる
頭の中でだけ、星が巡る