将棋素人私、電王戦を見る
佐藤叡王が全くミスらしいミスをしてない(ように素人目で見えた)のに、気づいたらPONANZAが良い形になっていて、素人目でも「ああ、押されてるんだな」と感じられた。ちなみにこの時点で他ソフトの評価値が3000くらいついていたので、押されているどころかPONANZAの勝勢だったろう。ちなみに、王手は一回もかからないまま71手で決着がついた(佐藤叡王の投了)。
投了前の佐藤叡王の顔が印象的というか、棋譜をチェックし始めた時点で解説ももはや負け前提になっていた。もはやコンピューターに人間は敵わないと強く実感させられた。自分涙いいすか……。無論、今回は将棋に限ってのことだが、しかし例えば、私の領域である(カッコつけた言い方だが)麻雀とかも強力なコンピューターがすでに動いている。今まで人間側がその知能で積み上げてきたゲーム(?)の実績を、コンピューターはやすやすと超えていく。
↓理想
私「やっぱり私……コンピューターには……敵わない……!」
穂乃果「そんなことない! コンピューターが強いのは当たり前だよ! 私たちも続こう! 思いっきりやろう!」
↓現実
私「やっぱり私……コンピューターには……敵わない……!」
友人「せやな……」
私「もう諦めるか……」
悲しいことばかりではない。ここまでコンピューターが進化したというのは素晴らしいことで、人間が到達するのが不可能な領域に到達しているというのは只々すごいことだ。その人間では不可能な領域に到達したコンピューターを作ったのが人間なのだが、それでも。正直、今回の件でシンギュラリティの片鱗を感じた。
しかし……私は人間にしか到達できない領域があってほしかった。いや、まだたくさんあると思う。だが、今目の前の現実として、長年人間の領域でコンピューターが敵うことはないだろうと言われていた将棋の領域はもうなくなったと言ってもいい。別に今までの人間の将棋が全て否定されたとかそういうことを言いたいわけではないのだが……将来、今ある人間の仕事は全てコンピューターに変わっているという話もある。私は怖い。コンピューターが飛び続ける先に、何があるのか。
それでも、人間は特別であることは信じている。人間の感情や精神は、いつまでも人間のものだと信じていたい。
電王戦2局目では佐藤叡王に勝ってほしい、せめて一矢報いてほしい。しかし、電王戦はもうやめにしませんか。人間同士で将棋の実力を比べ合う、それでいいじゃないか。